インコの日光浴について

インコにとって「日光浴は必要」とよく言われますが、
なぜ必要なのか、また、しなければいけないのか。
の疑問について、個人的に疑問となっていたところがあらかた解消されたため記録します。

・日光浴はなぜ必要

いろんな細かい影響というのはあると思いますが、大きな効果として、
日光浴によりビタミンDを生成する。
ということです。

人でも日光を浴びることで体内でビタミンDが生成されることが、最近さかんにメディアで言われているのでご存知の方も多いと思います。
このビタミンDは骨の成長を助けます。骨を作るにはカルシウム取るだけじゃダメなんですよね。
人であれば食品で経口摂取ということも出来ますが、ビタミンDを多く含む食品というのはきのこ類や魚類が主な為、インコには向きません。

たまに「羽や爪が~」というのを見かけますが、これは勘違い。
羽や爪は主成分がタンパク質なので、カルシウムは羽や爪の成長には関係ないです。

ペレットにはビタミンDが含まれていることが多いと思うので、ペレットが主食の場合はこの点では問題ありません。
また、ネクトンを使用していたり、病院などでビタミン剤(ビタミンD含有の物)を処方されている場合も必須ではありません。

上記の件は、情報収集の結果たどり着いた結論で、それまでの私の疑問と回答は以下の通り。

・ガラス越しの日光浴ではダメと言われるが、本当か?

ビタミンDの生成に必要とされる紫外線(UVB)はガラスを通過できない。
※ビタミンDの生成に必要なのは、紫外線の中でも(UVB)という特定の波長です。
一概に紫外線とだけ書いてある記事は疑いましょう。ガラスを通過する紫外線(UVA)もあります。

以下資料です。

OOKABE GLASS HD株式会社の ガラスの種類辞典 に
波長の透過特性を表すグラフがありました。(一般的な”フロートガラス”を表示)
なお、グラフはかなり下のほうにあります。
ガラス越しでは日光浴にならないことが良く分かります。(UVBを過ぎたあたりから透過率が急上昇している。)
ちなみに最近エネルギー効率が良いと良く使われるペアガラスは、一般的にはこれの複層構造のものです。
※メーカーや製品によりガラスの透過特性にはばらつきがありますので、あくまで参考に。

— 紫外線とは  —(紫外線のデータは気象庁HP出典)

UVA 315~400nm
ガラスを通過できる。
「日焼け」(肌が黒くなる)に影響するのはこの波長。

UVB 280~315nm
ガラスを通過できない。プラスチック(アクリル樹脂)も同じ。
「日焼け」でも赤くなって火傷状になるのはこの波長。(日焼け止めに書いてある”サンバーン”の原因の波長)
ビタミンDの生成に関係しているのもこの波長。

UVC 100~280nm ※諸説あります
オゾン層でほぼカットされてる。生物には非常に危険。

・日光浴でのビタミンD生成。と、経口摂取で違いは無いのか?

これについては、鳥の「日光浴でのビタミンD生成」のメカニズムを知る必要があります。(分からないと比較できませんよね)

この、「鳥の日光浴でのビタミンD生成」のメカニズムは、想像しやすい「インコが日光を浴びて体内で生成」(露出してるのは足くらい?)ではなく、羽づくろいの際、尾の付け根部分にある「尾脂腺」から分泌された脂を羽に塗りつけ、それが日光を浴びてビタミンDを生成。
羽づくろいの際それが口に入る。という経口摂取ということです。
体は羽で覆われてて、ビタミンD生成の元となる紫外線は届きずらいし、唯一露出している足も羽に隠れている時も結構あるから、それから考えてもこの説「経口摂取」が一番納得いきます。

ということは、日光浴をさせていても、羽づくろいをしない鳥には、ほぼ日光浴の効果は無いということになります。
飼い鳥が羽づくろいをしない子の場合、ビタミン剤を利用するなど検討して下さい。
そのような場合、UVランプなどを使用しても効果はほぼ無いということになりますので、ご注意を。(UVランプの効果については後述)

実際、うちのそらちゃんは日光浴が嫌いです。
たまに日にあてようとすると、日陰に隠れるように逃げます。
つまり、ほとんど日光浴はしていません。
病院でビタミン剤を処方されてますが、爪きりのついでの健康診断(1~2ヶ月おきと頻繁)では、健康体の太鼓判を押されてます。(セキセイ会でもTUBASAスタッフの記憶に残るほどの運動性能(迷惑?(^^;))を発揮。
日光浴には他にも微妙な効果はあったりすると思うので、できればそれにこしたことは無いですが、出来ないからと気に病む必要はありません。

ちなみにビタミンの定義は
・有機化合物でヒトの(「生物の」と読み替えても過言ではないかな)体内では生成されない為、外部から取り込まなければならない物。
・それ自体(単体)ではエネルギー源にならない必須栄養物質。
・微量が必要となる物質。
なので、当初ビタミンとされていたが、必要量が非常に多い(グラム単位)為、ビタミンから外されたというものもあります。(例:ビタミンF:リノール酸、アラキドン酸、リノレン酸など現在は脂質に分類)
つまり、ビタミンDも必要だとしても「微量」です。正確な必要量というのはわかっていません。個体ごとにも違うと思いますし。
鳥は密度の詰まった「骨」ではないので、必要量もほんとに微々たるものなのかもしれません。(でも必要)

・日光浴代わりのUVランプ使用について

このUVランプ使用による「日光浴の代替」はけっこう微妙です。
効果のあるものはW数が高く、明るすぎるし、かなり暑く(ランプ自体が熱く)なります。
そらちゃんのように暑がりの鳥にはむきません。
鳥のためにまぶしくないものや、そのため距離を離したりすると日光浴の効果はなくなります。痛し痒し。

ちなみに、UVBの出力については爬虫類用は性能がよく、日本で鳥に良く使われている有名な製品は「ほぼ効果ないんじゃないか?」というくらいの性能のようです。(※以下参照)

リクガメジャパン さんのフォーラムのひとつ「紫外線研究」の
★市販UVランプのUVBを測定してみました!(ぴえーるさん)
に市販UVランプの測定データがあります。これを参考にしました。
ただし、波長を細かく絞った値ではないし、単位も不明なので、あくまでも参考程度。

紫外線については爬虫類を飼育している方に詳しく研究している方が多いので、気象庁などの公的なデータと、爬虫類飼育者の現場目線のデータを参考にされるとよろしいかと思います。

こちらも参考になります。
各社UVB蛍光灯の測定データ
続編もあります。

同じく爬虫類飼育者で ウォーキー さんのブログ
爬虫類用紫外線ライトから本当に紫外線は出ているか検証してみた
というのが、日光浴かUVランプを使用するのか、の良い検討材料になると思います。
日陰でもかなり紫外線量を計測されているのは、光の性質。反射や回折(かいせき)によるところです。(主に反射ですが)

色々見ると、UVランプ買う気が失せます。(^^;)
(私はペットショップでランプの箱に書いてある波長のグラフを見ていて二の足を踏んでました。)

つまり、UVランプを使用するよりも、日の光が直接届かなくても、ガラス戸を開けて網戸にしておくことで、一般的な日光浴の目的は果たせるということです。
(うちは今のところビタミン剤で問題がないので、たまに程度です。)「たまに」の前に極が付くかも・・・

・ペット用UVランプの誤解

UVランプの説明で書いてあるもの。

何W(ワット)と書かれているのは、ランプの消費電力で、紫外線量のことではありません。
ワット数が高くても、希望の波長が出ないものは、ただのまぶしくて暑くなるランプです。

波長(nm)
必要な紫外線(300nm付近)が出ているかどうかの判断が出来る。
ただ、どれだけの「量」が出ているかではないので注意。

色温度(単位 K ケルビン)
光の色を表す尺度で、紫外線とは関係ありません。
(主に赤っぽい光とか、青っぽい光とかの判定に使う物。写真やライトの業界でよく使われる。)

光束
明るさの指標で単位は lm(ルーメン)
明るさなのでこれまた紫外線とは関係ないが、明るすぎるものは避けるときの指標にはなる。

— 基本データ —

「光の強さは光源からの距離の2乗に反比例する」
簡単に言うと、距離が2倍離れると光量は1/4になるということです。(点光源の場合。蛍光管やリフレクタがあるとこの減衰も緩やかになる。)
UVランプの場合、ランプと鳥の距離が20cmの時と40cmのときでは、光量が4倍も違う(1/4になる)ということ。
対して、日の光はというと、太陽と地球の距離は1億4960万kmも離れてますので、1m離れようが10m離れようが誤差と呼べるほども変わりません。
ただし、緯度や標高が変わると大気の層の厚さが変わるので紫外線量は変わります。

紫外線の表記でよく見られるのは、nm(ナノメートル)ですが、これは「波長」で、その光の「種類」を表す物です。(強さ・量を表している物ではありません。)
波長の短いほうから 紫外線 → 可視光 → 赤外線 ですね。○外線と呼んでいるのは、単に人が見えないから可視光の範囲の外。→可視光を外れた光線→○外線 と言っているだけで、生物によっては人に見えないその光が見えてたりします。紫外線カットすると虫が寄ってきにくいというのも、主に紫外線で見ている虫が紫外線カットで見えなくなるからという理由です。

単位
太陽光の環境測定では W/㎡(ワット・パー・平方メートル)
UVランプなどでは mW/c㎡(ミリワット・パー・平方センチメートル) を主に使用。
これに時間を考慮している場合がほとんど。(一瞬ではありませんからね)
波長ごとに記載されている製品は皆無と思われます。
気象庁では、紫外線については現在はUVインデックスを主に使用。

調べだすともっと色々あって、逆にわからなくなるので、これくらいで十分?

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