セキセイインコを初めてお迎えしたときなど、「夏は何度から冷房すれば、冬は何度から暖房すれば良いのだろうか?」と思われるでしょう。
現代ではエアコンなど空調管理機器があるところがほとんどですので、温度が自在に管理できるゆえの悩みです。
また、夏場については、ここ近年の猛暑・酷暑等、不安になるのもうなずけます。
皆さんの飼育環境は何度くらいでしょうか?
「25℃から30℃の範囲に保っている。」
という方も多いのではないでしょうか。
実はこれは本来の飼育としては間違っています。
以降の文章を読んでいただければ、なぜ間違っているかお分かりいただけるでしょう。
昔(昭和の鳥ブーム時)と今の違い
私が子供のころの鳥ブーム(昭和40年代くらい)では、エアコンなどなかった時代です。
今と違い30℃を超えたとしても、今より地面が見えていたので涼しい風も吹きました。
今は熱風が吹いてきますね。
昭和の鳥ブームの時はエアコン等の空調管理機器が無かったため、温度管理に悩むことはありませんでした。(もともと温度管理などできないし、温度管理をするという考えがそもそもありませんでした。)
つまり夏暑く冬寒い中、鳥かごですごしているインコは夏は風通しの良いところ、冬は家の中などでした。
夏はともかく冬は関東でも氷点下になることもあり、今のように家の断熱もしっかりしていないので、鳥かごの定位置(主に玄関先など)では、外気温とほぼ同じになります。
防寒もせいぜい風呂敷等の布をかけるくらいでした。
ただし、今と違う点はその頃はつがいで飼うのが基本の為、今の一羽一ケージとは違い寄り添って暖をとれるのがせめてもの救いでした。
(ひとつのケージに複数羽&巣箱というのが通常のパターンでした。私も鳥のねぐらは巣箱と思ってました。)
また、今でも見かけますが、屋外に鳥小屋。というパターンもあります。
こちらは昔も今も温度は自然任せです。近年の猛暑でよく大丈夫だなと思いますが、鳥小屋が空でないので大丈夫なのでしょう。ただし、鳥小屋があるところは必ずと言っていいほど地面が見えます。コンクリートの上に設置というのは見たことがありません。地面が見えるということは、都会のアスファルトやコンクリートで覆われた場所より気化熱でいくらかでも涼しいことでしょう。
最初に昔と現代の違いに触れましたが、いよいよこれからが本題です。
現在一般的にセキセイインコは25℃~30℃くらいが適温とされていることが多いと思いますが、はたしてそれは正しいのか検証していきましょう。
※少数派ですが「健康なら20℃以下でも大丈夫」というブログ等もあります。
–セキセイインコの生息域–
(実際に調査に行っているわけではないので、文章が「想定」の文になっていることはご容赦ください)
ご存知のようにセキセイインコ本来の生息域はオーストラリアほぼ全域、主に内陸部などと言われてます。
内陸部。いわゆるアウトバックと呼ばれる地域です。
この地域は砂漠もありますが、主に「乾燥地帯」と分類されています。
アウトバック最大の都市アリススプリングス付近はセキセイインコ観察には適した地域のようです。
ただ、セキセイインコの移動は季節というより天候に左右されることが多いようです。
餌の確保という点から考えるとそれは自然ですね。
生息域は「乾燥地帯」、雨が降らなきゃ餌となる緑が生えてこないですから。
–生息域の気温–
オーストラリア内陸部というと範囲が広すぎるので、その地域の都市アリススプリングスの気温を参考にします。
アリススプリングスの気温 (出展:wikipedia)
まず平均の最高気温・最低気温を見てください。年平均(一番右)でみると、一日の寒暖の差は約15℃くらいあります。
次に最高気温・最低気温(左項目爛)を見ると、書いてあるのが「記録」とありますので、あまり参考にはなりません。
その為、最高気温ではなく平均最高・最低気温を参考にします。
通常の最高・最低気温は、平均値の+-5℃くらいと考えるのが良いでしょう。
はい。ここでほとんどの人はお分かりいただけたでしょう。
日本との違いは季節が逆転しているのを除くと、冬場の最高気温が高く、一日の温度差が激しい。
ということです。
そのような所に生息しているということは、実際は日本よりも過酷な環境で生活しているということですね。
25℃~30℃で
温度変化に弱い
というのは、セキセイインコ本来の性質ではありません。
もしその子がそのような状態なら、お迎えまでのペットショップなどの環境や、飼主が「そうさせてしまった」のです。
(ペットショップも温度変化の少ない恒温状態です)
基本の性質が温度変化などに強くても、生まれてからずっと恒温状態で過ごしていれば、体温を調節する機能が弱まっても不思議ではありません。
例えば人の適温と言われる20℃でも、夏場に20℃の所に行くと「寒い」「涼しい」となり、冬場では「暖かい」「暑い」となります。
ここまで極端でなくても、同じ温度でも秋は涼しく感じ、春は暖かく感じます。
これは数ヶ月という長いスパンで体がその気温に慣れたためです。
たった数ヶ月でもこのようになるのですから、生まれてからずっとでは本来持っている体温調節機能がマヒしてしまっていてもおかしくはありません。
「飛ぶ」という鳥本来が持っている機能でも、鳥かごの中でずっと過ごしていれば飛べなくなってってしまうように、生きるための基本機能である「体温調節」も、恒温状態で過ごさせてしまうと失ってしまいます。
(我が家のカイくんも当初飛び方を知らず、目的の所に飛んで行ってぴたりと止まるということができませんでした。生後半年間ショップのケージにいただけでです。)
そういう状態になってしまってからでは、正常に戻すのには大変な労力を必要とします。
ご注意ください。
お迎えした最初の年は温度変化に対し注意深く観察し、病気にならない程度に低温・高温に慣れさせるようにしなければ丈夫には育ちません。
(温度に対する耐性は個体差があります)
具合が悪くなる時があるかもしれません。
その時は「具合がよくなるまで」の治療の期間だけ恒温状態で直し、それ以降は自然に近い環境にゆっくり慣れさせましょう。
甘やかすのが愛情ではありません。
しかし、くれぐれも状態や糞などを観察することは忘れずにお願いします。
おそらく、この「25℃~30℃」が一般的になったのは、動物病院などの指導が一般的に広まったのではないかと思います。
治療に適した気温なので、「この温度に保ってください」と言われたことが、「一年中その気温にしなければならない」と勘違いされたのでしょう。
病院というのは、「治療」の為の施設ですので、それが生活全般に対してかかってくることではないということを理解する必要があります。
治療で病院に行っていても、健康診断は受けなければならないというのを聞いたことがある方もいると思います。
これはなぜかというと「病院での検査はその治療の為のデータしか見ない」からです。
病院が温度範囲を指示するのも、治療の一環と解釈しましょう。
インコが年をとってきたりしても適温は変わります。
糞や状態にはいつ何時も気にかけるようにしましょう。
「いったい適温は何度なんだ!」という声が聞こえてきそうですが、それは一概には言えません。
たとえばそらちゃんは15℃~20℃くらいが適温のようです。(10℃以下の所に行っても全然平気)
25℃以上だと体温を下げるため翼を広げるときが多くなります。(25℃以下でもしばしば)
ただ、そらちゃんに合わせていると人が寒いので、そらちゃん優先の温度にはならないときが多いです。
カイくんは現在観察中です。
夏場あまり暑そうにしてなかったし、現在気温が下がってきているが、膨らんだり寒そうにしてません。
糞も水分が多いときもありますが、下痢などはしてません。
ポーカーフェイスなので判断が難しいです。
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